有川ひろさんのシリーズ作品17作品を一挙紹介!
シリーズ別の内容紹介・おすすめポイント・読む順番を書いていきます。
一番最後に、全作品の一覧チェックリストもありますので、
ぜひご活用ください!
有川ひろさんについて
1972年生まれ、高知県出身。
2003年、『塩の街』で小説家としてデビュー。
2019年2月、ペンネームの表記を「有川浩」から「有川ひろ」に変更。
デビュー当初はSF・ミリタリー色の強い作品が多かったが、現代をテーマにした作品も次々に発表している。
ドラマ化や映画化されている作品も多数。
【シリーズ別】著作一覧
(作品のかっこは、最初の単行本または文庫本の出版年です)
「自衛隊三部作」
- SF・ミリタリーものが好きな方
- 未確認生物が好きな方
- 「図書館戦争」が好きな方
内容紹介
自衛隊を舞台にした3つの長編。
◆塩の街
突如として空から巨大な塩の結晶が落下し、同時に人々が塩へと変わる「塩害」と呼ばれる怪現象が発生してから数か月。
塩に埋め尽くされて社会が崩壊しかけた東京で暮らす真奈と、その保護者的存在の秋葉。
時に穏やかに、時に激しく人が二人の前を行き過ぎる中で、二人の気持ちは徐々に変わりつつあった。
そして、二人の許へ訪れた一人の来客が秋庭と真奈、そして世界の運命を変えることとなる。
◆空の中
200x年1月、世界初となる超音速ビジネスジェット機「スワローテイル」の試験機が試験飛行中、高度2万mに到達直後突如爆発炎上する。
同年2月、航空自衛隊の機体が実験飛行中、同じく高度2万mで爆発炎上。
両事故の機体にはいずれも異常がなく、事故原因は謎のままだった。
一方、航空自衛隊の事故で亡くなった斉木三等空佐の息子・斉木瞬は、クラゲのような奇妙な生物に出会う。
携帯電話を介して会話ができるその生物を「フェイク」と名付け、家で育てることにする。
原因不明の航空機事故と、謎の知的生命体。それらに関わる人々はやがて、ある場所へと集まっていく。
◆海の底
桜祭りで一般に開放された横須賀米軍基地に突如海から巨大生物の大群が襲来し、次々と人を襲う。
自衛隊員2人は逃げ遅れた子供たちを連れ、米軍基地内に停泊していた海上自衛隊の潜水艦で籠城することになる。
市民の犠牲も省みず爆撃を画策する米軍、政治的判断を優先させる内閣、警察上層部の思惑を背景に潜水艦に取り残された者、民間人救出に奔走する自衛隊、機動隊、警察の対策本部といったさまざまな視点から描かれ、事件発生から収束までの6日間の物語が進んでいく。
おすすめポイント
三部作と題しながらも、登場人物や舞台設定も全く違う物語なので、
どれから読んでもOKです!
いずれもSFな設定や展開なので、世紀末もの(ディストピア)が好きな人におすすめ。
正体不明な未確認生命体が出てくるので、未知の生物 VS 人間という構図が好きな人にもぴったりだと思います♪
「図書館戦争」シリーズが好きな方は、有川さんの自衛隊物の原点になる作品群なので、ぜひ読んでほしいです!
刊行順
1.塩の街(2004)
2.空の中(2004)
3.海の底(2005)
「図書館戦争」シリーズ
- 「ミリタリー×恋愛」を読んでみたい方
- 図書館が好きな方
- 胸が熱くなる話を読みたい方
内容紹介
公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる法律として『メディア良化法』が成立・施行された現代。
超法規的検閲に対抗するため、図書館では「図書隊」という自衛組織を作った。
「図書館の自由に関する宣言」を実現するため、武力で強制的に図書を滅しようとするメディア良化隊と闘う図書隊。
図書隊に憧れていた郁は、念願叶って図書隊に入隊した。
指導教官である堂上篤や、同期の隊員たちと共に、図書館を守るために今日も闘う!
おすすめポイント
「図書館の自由に関する宣言」とは、現実にあるもので、以下のような内容です。
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1.図書館は資料収集の自由を有する
2.図書館は資料提供の自由を有する
3.図書館は利用者の秘密を守る
4.図書館はすべての検閲に反対する
図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。
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この宣言、かっこいいと思いませんか?
特に最後の一文。
「図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。」
このフレーズにかっこよさを感じる方は、ぜひ図書館戦争シリーズを読んでください!
正しく体を張って、本と自由を守る図書隊員たちの言動に、胸が熱くなること間違いなしです!
そして郁と堂上との恋愛模様にも注目。
「自衛隊三部作」と比べて恋愛要素が多めなので、よりライトに読めます。
『レインツリーの国』は、『図書館内乱』に登場する小説。
有川さんが現実の本にしてくださいました!
図書館戦争シリーズのファンになった方は、こちらもぜひ!
読む順番
1.図書館戦争(2006)
2.図書館内乱(2006)
3.図書館危機(2007)
4.図書館革命(2007)
5.別冊 図書館戦争Ⅰ(2008)
6.別冊 図書館戦争Ⅱ(2008)
おまけ.レインツリーの国(2006)
「自衛隊ラブコメ」シリーズ
- 『空の中』『海の底』を読了済みの方
- 「ミリタリー×恋愛」を読んでみたい方
- きゅんきゅんしたい方
内容紹介
自衛隊の恋愛を綴った短編集。
自衛隊員たちや、彼らと関わる女性たちの視点で書かれた珠玉の恋愛短編たち。
おすすめポイント
こちらもシリーズとなってますが、2冊とも短編集で、一つ一つのお話は独立しています。
なので、気軽にさらっと読めるのが嬉しい!
「ラブコメ」と銘打っている通り、恋愛がメインのお話です。
「自衛隊三部作」「図書館戦争シリーズ」で恋愛面に物足りなさを感じる方は、
ぜひこちらを読んでみてください。
男性も女性も、一つ一つの言い回しがかっこよくてときめきます!
『クジラの彼』には、『空の中』『海の底』のスピンオフも収録されているので、
あの登場人物たちとまた会うことができます♪
刊行順
1.クジラの彼(2007)
2.ラブコメ今昔(2008)
「三匹のおっさん」シリーズ
- 元気になる本を読みたい方
- 定年退職後の楽しみ方を知りたい方
- ジェネレーションギャップを楽しみたい方
内容紹介
地元の大手ゼネコンを定年退職した剣道の達人のキヨ、柔道家のシゲ、工場経営者・ノリ。
昔からの腐れ縁で悪ガキ仲間だった3人が、町内の自警団を結成し、見回りをする決意をする。
ご近所の悪を成敗する痛快活劇シリーズ!
おすすめポイント
3人のおっさんたちの「若者には負けん!」というパワフルさに元気をもらえます!
彼らの子ども・孫世代と、おっさんたちの絡みも面白い!
最初は冷ややかな目で見ていた家族も、おっさんたちに少しずつ協力的になっていく様子がほほえましいです。
『三匹のおっさん ふたたび』では、おっさんたちの息子世代も活躍し、
1作目とは違った面白さを味わえます。
読む順番
1.三匹のおっさん(2009)
2.三匹のおっさん ふたたび(2012)
「旅猫」シリーズ
- 猫好きな方
- 村上勉さんの絵が好きな方
- 感動したい方
内容紹介
猫のナナと、5年前にナナを拾ってくれた飼い主サトルとの旅を綴る。
旅の目的は、ナナの新しい飼い主を探すこと。
2人は銀色のワゴンに乗って、サトルの友人たちを訪問する。
その旅は、サトルの幼少のころから現在までの人生を、時間を追って再確認する旅でもあった。
おすすめポイント
まず表紙の絵。児童書が好きな人は、見覚えがあるのでは。
そう、『コロボックル物語』『だれも知らない小さな国』などの挿絵を担当されている村上勉さんが描いたイラストです。
躍動的な猫のナナのイラストと、有川さんのパワフルかつ心に訴える文章で、
猫好きな人にとっては胸が震えるシーンが多いのではないかと思います。
絵本版は、全ての漢字にルビが振ってあるので、小学校低学年の子から読めるようになっています。
『みとりねこ』は、猫に関する短編集ですが、『旅猫リポート』外伝2編も収録されています。
もう一度サトルとナナに会いたい人は、こちらもぜひ♪
刊行順
1.旅猫リポート(2012)
2.絵本 旅猫リポート(2014)
おまけ.みとりねこ(2021)
全作品一覧チェックリスト
全作品制覇を目指している方は、こちらもどうぞ。(ダウンロードしてご利用ください)
まとめ
たくさんの著書がある有川さんですが、全作品に共通する魅力は、
心に訴えかけてくる熱量の強さと、それでも読みやすい文章。
特に自衛隊シリーズは漢字も多く、あまり身近でない軍用語も出てくるので、
最初は「うっ」と思ってしまうかもしれませんが、そこは有川さんの手腕を信じてください!
会話も多く、ユーモアを交えながら物語が展開されていくので、いつの間にかサクサク読めてしまいます。
これから寒くなってくる季節に読みたい、胸を熱くさせられる作家さんとしておすすめです!