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【マンガ】『本なら売るほど』(児島青)~本好きも、本好きでない人も、全員必読!~

いま、本好き界隈で超話題のマンガ、『本なら売るほど』。

何でこんなに話題なのか?

何がこんなに本好きの心をくすぐるのか?

本好きの私が読んで刺さったポイントをご紹介します。

こんな人におすすめ
  • 本好きな方
  • 書店・古書店で働いている方
  • 本をあまり読まない方

あらすじ

古本屋「十月堂」の店主は、若くて長髪の青年。

店の品ぞろえと店主の人柄に惹かれて、さまざまな客が訪れる。

本好きの常連さん、店主に恋する女子高生、夫の蔵書を売りに来た未亡人…

本と人とが出会って、さらなる縁が広がっていく。

漫画誌ハルタ」で連載中。単行本は全2巻。(2025年5月現在)

 

おすすめポイント

絵が繊細できれい

まずマンガにとって一番大事なポイント。

それは絵柄!

好みは人それぞれですが、私はこの絵がとっても好きです!

登場人物たちの表情で、口に出せない感情を、見事に表現しているところ。

目が大きいとかキラキラしているとか、そういう特徴的なタッチではないところ。

素朴で豊かな絵柄のおかげで、ストーリーに抵抗なく潜り込んでいけます。

本が主役ではない

本をテーマにした物語では、本が主役になるパターンが多くあります。

例えば、実在する本のあらすじや登場人物たちの心情が、ストーリーに絡んでくるもの。

あるいは、特定の本をめぐって事件が発生したり、謎を追ったりするもの。

そういうのも個人的には大好物なんですが、

『本なら売るほど』は本が主役ではないのです。

 

主役はあくまで"人"。

古書店が主な舞台なので、もちろん本は絡んでくるのですが、

この作品で描かれるのは、”人の人生”。

例えば、第1巻の第2話に登場するのは、

亡き夫の蔵書を古書店に売りに来たおばあさま。

夫が持っている本を読んだことはなかったけれど、十月堂に持ち込んだことで、

今まで気づかなかった、夫からの気持ちを知ることになります。

それを知った瞬間のおばあさんの表情が、本当に……素敵!!

鼻の奥がツンとして、泣く一歩手前で踏みとどまりました。。

「本好き」じゃなくても楽しめる

作品中、「本好き」ではない人も結構登場します。

この「マニアに特化しない」ところも、推しポイント!

 

第1巻の第4話では、ある男性二人が本棚作りに挑みます。

蔵書3000冊が入る壁一面の本棚、という大仕事。

そのうちの一人は、本をあまり読まない青年。

本棚づくりをきっかけに、「十月堂」で本を買うのですが、

本を開いてもすぐに眠くなって、なかなか読み進められません。

なので、本好きであるもう一人の男性と、”読書量”という壁を感じています。

 

「趣味が読書」という人に対して、同じように感じる人って、けっこう多いと思います。

「私は全然読まないから到底かなわない」「何か話そうとしても、気おくれしちゃう」

でも、「本好き」の立場から、声を大にして言いたい。

「本が好き」って、そんな高尚なものではないんです!

…というのが、第4話を読むとわかります。

ネタバレになっちゃうので、この先の展開は、ぜひ実際に読んでみてください。

人の縁が描かれている

一話ごとに、一人のお客さんを中心として物語が展開していく構成なのですが、

次の話で、前に登場したお客さんがちらっと関わってくることがあります。

アルバイト先が同じとか、宿泊先のホテルが一緒だったとか、

「十月堂」に買い取ってもらった本を買うのが、前に登場した人だとか。

本を通して、あるいは、本以外のきっかけを通して、人の縁がつながっていく。広がっていく。

そんな人生の妙をじっくり堪能できるマンガです。

まとめ

「本好き」を自称する人にも、あんまり本を読まない人にも、

とにかく全人類におすすめしたいマンガです!

人生の悲哀も楽しみも幸せもぎゅぎゅっと詰まった「本なら売るほど」。

ぜひ読んでみてください♪

 

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