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【全作品のチェックリスト付き】一穂ミチさんのおすすめ作品4選

登場人物の気持ちを繊細に描く一穂ミチさん。

BL小説も多作ですが、私は一般小説から入りました。

ということで、今回は特に私がおすすめしたい4作品を紹介します!

一番最後に、全作品の一覧チェックリストもありますので、

ぜひご活用ください!

一穂ミチさんについて

1978年生まれ。会社員として働きながら、作家業を営んでいる。

2007年に『雪よ林檎の香のごとく』で小説家デビュー。

以後BLジャンルを中心に活躍する。

2021年に『スモールワールズ』で一般小説デビュー。

2024年に『ツミデミック』で直木賞を受賞。

おすすめ作品4選

(作品のかっこは、最初の単行本の出版年です)

小さな世界の喜怒哀楽をぎゅっと凝縮

スモールワールズ(2021)

あらすじ

夫婦、親子、姉弟、先輩と後輩、知り合うはずのなかった他人。
「小さな世界」を描く七つの短編集。
生きてゆくなかで抱える小さな喜び、もどかしさ、苛立ち、諦めや希望を

丹念に掬い集めて紡がれた物語たち。

おすすめポイント

やさしい文体で描かれる、スパイスの効いた話の展開が癖になります。

一気読み必須!

「魔王の帰還」と「愛を適量」が特におすすめです。

宝箱のような短編集

うたかたモザイク (2023)

あらすじ

甘くてスパイシーで苦くてしょっぱい、人生の味わいを詰めこんだ短編集。
どんな人にも、どんな日々にも、凸凹や濃淡、裏表はかならずあるから、
そんな欠片を集めたこの本のなかに、自分に寄り添う物語がきっとある。

おすすめポイント

短編が13編(文庫版だと17編!)も詰め込まれた宝箱のような一冊です。

数ページしかないお話も、10ページ以上の長めのお話も、

読み応えは同じくらいの質量で、一冊読み終える頃にはお腹いっぱいになります。

特に好きなのは、「神さまはそない優しない」。

死後、猫になって、生前の妻に飼われる男性のお話です。

老いて死ぬことへの恐怖が和らぎ、「人生っていいものだな」と思えるお話でした。

第171回直木賞受賞作

ツミデミック (2023)

あらすじ

犯罪小説を6話収録した短編集。

 

大学を中退し、夜の街で客引きのバイトをしている優斗。

ある日、バイト中に話しかけてきた女性は、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗る。(「違う羽の鳥」)

 

ある日、小学一年生の息子が持ち帰ってきた旧一万円札。

聞くと、近隣の一軒家に住む老人にもらったという。

職を失ったばかりの恭一は、その一万円札をたばこ代に使った挙句、

さらに老人から恵んでもらえるかもしれないとたくらみ、

得意の料理を持参して老人宅を訪れる。(「特別縁故者」)

おすすめポイント

胸がザワザワするお話も、人情を感じられるお話も、両方楽しめる一冊です。

私は特に「特別縁故者」と「祝福の歌」が好きでした。

どちらもおじさんが主人公。

家族とうまくいかなくてギクシャクするけど、応援したくなる。

最初の3編の毒が強いからこそ、

この2つのお話に出てくる家族の癒し効果が高まっている気がします。

「人間って最低」と「人間って捨てたもんじゃない」という気持ちを一冊で味わる、

絶妙なバランスの短編集です。

「他人と生きる」ことってこういうことか

恋とか愛とかやさしさなら (2024)

あらすじ

カメラマンの新夏(にいか)は、啓久(ひらく)と交際5年。

ついにプロポーズをしてくれた啓久だったが、

その翌日、女子高生を盗撮して捕まった。

前科もつかず、示談で逮捕には至らなかったが、

新夏は啓久と結婚しても良いのかわからなくなってしまう。

新夏の下す決断は・・・。

おすすめポイント

婚約者がまさかの盗撮、という衝撃の始まり。

このエピソードだけで興味を根こそぎ持っていかれます。

しかも、前科はつかず、法的には無罪となったわけだけど、

人としてやってはいけないことをしたのは事実。

「この人と結婚しても良いのか」を自問自答する新夏の気持ちはよく分かります。

あくまで自分との気持ちにどう折り合いをつけるのか・・・

という難しい選択に迫られた新夏が、どんな決断をするのか、

そしてその決断に至るまでの心情の変化にも注目です。

また、別パートでは啓久側の視点でも描かれるので、

両者の状況や心情を俯瞰して見ることができます。

題材としてはヒリヒリとハラハラの両方を味わえますし、

「他人と生きる」ってこういうことかと考えさせられるお話です。

全作品一覧チェックリスト

全作品制覇を目指している方は、こちらもどうぞ。(ダウンロードしてご利用ください)

まとめ

人間の嫌な部分も、人生の面白さも、

両方をくっきりと突きつけてくれるのが、一穂ミチさんの作品の魅力だと思います。

両方があるからこそ、人間の深みをより感じることができます。

イヤミスのようなどろっとした読後感と、

人情の温かさを感じて優しい気持ちになれる読後感。

どちらも味わいたい方は、ぜひ一穂ミチさんの小説を読んでみてください♪