伊坂幸太郎さんのシリーズ作品11作を一挙紹介!
シリーズ別の内容紹介・おすすめポイント・読む順番を書いていきます。
一番最後に、全作品の一覧チェックリストもありますので、
ぜひご活用ください!
伊坂幸太郎さんについて
1971年生まれ。システムエンジニアとして働きながら小説を書き、
2000年、『オーデュボンの祈り』で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。
シリーズ作品を問わず、多くの作品で登場人物がリンクしている。
また、登場人物たちの会話が、コミカルで雑学に富んでいるのが特徴的。
【シリーズ別】著作一覧
(作品のかっこは、最初の単行本の出版年です)
「陽気なギャング」シリーズ
- 天才が活躍するお話が好きな方
- ドタバタ劇を読みたい方
- 映画が好きな方
内容紹介
嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、正確な体内時計を持つ女。
この四人の天才たちは「人を傷つけない」ことをポリシーとする、百戦錬磨の銀行強盗集団。華麗に(?)銀行強盗を行う彼らだが、思わぬところで余計な事件に巻き込まれてしまう。
一作目では、強盗した金を逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされてしまった!いざ奪還!と追いかけるが…。
続く二作目、三作目も、彼らを平和な銀行強盗にしてくれない。様々な事件が四人を襲う!
おすすめポイント
伊坂作品の魅力がぎゅぎゅっと詰まったシリーズです。
①物騒な仕事をしている平和主義者が、不運にも、より物騒な事件に巻き込まれていく。
②やけに冷静で天才な人がいる。
③登場人物たちの会話のテンポがよく、めちゃくちゃピンチな場面でも笑ってしまう。
四人組の個性が強く、癖があるが、憎めない。それぞれの特技を活かして活躍するシーンが多々あるので、推しメンバーを決めて読んでみるのも楽しいかもしれません。
(私はリーダーの成瀬さん推しです!)
第一作「陽気なギャングが地球を回す」は、2006年に映画化もしています。
銀行強盗四人組は、大沢たかおさん、佐藤浩市さん、松田翔太さん、鈴木京香さんが演じています。
読む順番
1.陽気なギャングが地球を回す(2003)
2.陽気なギャングの日常と襲撃(2006)
3.陽気なギャングは三つ数えろ(2015)
「殺し屋」シリーズ
- バトルものが好きな方
- 群像劇が好きな方
- ハラハラドキドキしたい方
内容紹介
1作目「グラスホッパー」には、妻の復讐のために殺人計画を練る元教師・鈴木、
ターゲットを押して車に轢かせる「押し屋」、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの殺し屋・蝉。
2作目「マリアビートル」には、元殺し屋・木村、狡猾な中学生・王子、腕利きの二人組・蜜柑&檸檬、世界一不運な殺し屋・七尾。
などなど、とにかくたくさんの殺し屋たちが登場するシリーズ。
それぞれの依頼主やボスの命令で、敵も味方もごちゃまぜになって任務を遂行する殺し屋たちの壮絶なバトルが始まる!
おすすめポイント
一応シリーズものですが、ストーリーは続き物ではなく、まったく別の筋のお話なので、
どの作品から読んでも大丈夫!
ただ、登場人物がリンクしてくるのと、前作の出来事が書かれていたりするので、出版順に読むと、より楽しめます。
特に「マリアビートル」→「777 トリプルセブン」は、主人公が同じ(世界一不運な男、七尾)なので、こちらは順番通りに読むことをおすすめします!
殺し屋たち同士の武闘派バトルあり、頭脳バトルあり、武器も十人十色。
相手の意図や行動の裏を探りあって対峙するシーンはハラハラドキドキ!
ジェットコースターのようなスピーディな展開に圧倒されます。
読む順番
1.グラスホッパー(2004)
2.マリアビートル(2010)
3.AX アックス(2017)
4.777 トリプルセブン(2023)
「死神」シリーズ
- クールだけどどこか抜けてる人が好き方
- 死神が好きな方
- 「重力ピエロ」を既読の方
内容紹介
音楽をこよなく愛し、仕事をする時はいつも雨。
そんな主人公・千葉は死神。「調査部員」として、調査対象の人間を1週間観察し、
死ぬに値する人物かどうかを見定める仕事をしている。
1作目「死神の精度」は6編から成る短編集。千葉の調査対象は、クレーム受付の仕事をしているOL、中年やくざ、医者の妻、ブティックに勤める青年、殺人犯、老女の6名。各章で、千葉が見てきた6人の人生を描く。
2作目「死神の浮力」は長編。
娘を殺された作家・山野辺は、無罪になった犯人への復讐を計画する。千葉は、調査対象者である彼を観察するうちに、復讐劇に巻き込まれてしまう。
おすすめポイント
死神・千葉のキャラクターが良い!
一見クールでかっこいい(多分)千葉だが、人間界に不慣れなため、ちょっとずれた言動をとる、そのギャップがたまらんです。
そして、そんな千葉に対して、戸惑いを隠せない人たちのうろたえる様子にも、ニヤッとしてしまいます。
虐待シーンなど、痛々しい場面もあるのですが、人間離れした千葉にかかると
どこかユーモラスな展開になってしまうところが、死神マジックですね。
別作品とのリンクがあるのも、お楽しみポイントのひとつ。
千葉は「魔王」に登場しますし、
「死神の精度」には、「重力ピエロ」の春らしき人物が描かれています。
読む順番
1.死神の精度(2005)
2.死神の浮力(2013)
「魔王」シリーズ
内容紹介
会社員の安藤は、弟の潤也と二人で暮らしていた。
自分が思った事を相手に喋らせることができる『腹話術』の能力を持つ安藤は、ある一人の男に接近する。
魔王とは何者なのか?魔王はどこにいるのか?
世の中の流れに立ち向かおうとした兄弟の物語。
そして、「魔王」から50年後の世界を描いた「モダンタイムス」。
システムエンジニアの拓海は、突然謎の男から拷問を受ける。そして翌日、失踪した先輩の代わりにシステム改良の仕事を引き継ぐことになるが…。
システムによって統制される社会に生きる人々を描く、ディストピア小説。
おすすめポイント
おすすめポイントの前に…本シリーズは拷問などの残酷なシーンが多々出てくるため、
苦手な方は要注意です。
で、おすすめポイントですが、安藤兄弟の関係が良い!
思慮深い兄と、天真爛漫な弟。性格は正反対だけれども、お互いを信頼してつながっている絆が垣間見えます。
2作目の「モダンタイムス」の主人公は安藤兄弟ではないですが、潤也が登場するので、二人の絆が再確認できます。
政治が大きく絡んでくる内容で、「社会とは」「国家とは」と考えさせられるお話です。
国家陰謀論など好きな方は、興味深く読めるのではないでしょうか。
殺し屋シリーズの「グラスホッパー」を既読の方は、
コミック版「魔王」(全10巻)もおすすめ!
原作の「魔王」からは大幅アレンジが加えられており、
「グラスホッパー」に出てくる殺し屋たち(蝉、鯨、押し屋など)がストーリーに大きな役割を果たしています。
読む順番
1.魔王(2005)
2.モダンタイムス(2008)
全作品一覧チェックリスト
全作品制覇を目指している方は、こちらもどうぞ。(ダウンロードしてご利用ください)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
伊坂さんの作品の魅力は、なんといっても登場人物。
そして、作品リンクが様々なところに仕掛けられているところ!
ただでさえ癖のある個性的なキャラクターたちなので、シリーズ作品を超えてもその存在感は抜群。
ちょっと変な挙動をしている人がいたら、「あれ?もしかしてどこかで…?」と察知できるくらいには、存在感あります。
それに気付けた瞬間に、思わぬところで旧友に再会したかのような驚きと嬉しさと懐かしさが味わえます。
そんなご褒美を満喫するためにも、シリーズ作品以外の本も、ぜひ刊行順に読んでいただきたい!
さあ、あなたも伊坂ワールドにハマりましょう!!