(2026/4/9 チェックリスト更新:「私たちはたしかに光ってたんだ」追加)
金子玲介さんの作品は、独特の面白さがあって癖になる!
2023年にデビューされていて、これから大注目の作家さんです。
今回は特に私がおすすめしたい4作品を紹介します!
一番最後に、全作品の一覧チェックリストもありますので、
ぜひご活用ください!
金子玲介さんについて
1993年生まれ。
慶應義塾大学を卒業後、公認会計士として働きながら小説を書き、
新人文学賞に応募していた。
2023年に『死んだ山田と教室』でメフィスト賞を受賞し、小説家デビュー。
人が表に出さない感情を露わに描き出す作風が特徴的。
おすすめ作品4選
(作品のかっこは、最初の単行本の出版年です)
メフィスト賞受賞のデビュー作
死んだ山田と教室(2024)
あらすじ
高校2年の夏休みが終わる直前、山田が死んだ。
飲酒運転の車に轢かれて、帰らぬ人となってしまった。
二学期初日の教室、悲しみに沈むクラスメイトたち。
だが、突然教室のスピーカーから声がした。
なんとその声は、死んだはずの山田の声だった…。
おすすめポイント
死んだはずの人の声が、いきなりスピーカーから聞こえた…
一見ホラーな展開かと思いきや、予想を裏切り、なんだかほのぼのした雰囲気。
クラスメイトたちは、山田との再会(?)に沸き立ち、
放課後も残っておしゃべりを楽しんだり、人生相談をしてみたり。
男子高生のくだらない会話がとても楽しそうで、ほほえましい。
だけど、いつか別れがやってくる。
山田はいつまでスピーカーに居続けるのか。
みんなが卒業したら、山田はどうなってしまうのか。
物語は終わりの見えない道を進み始めます。
この独特のスリル、ぜひ味わっていただきたい!
「死んだ」シリーズの3作目
死んだ木村を上演 (2024)
あらすじ
啓栄大学演劇研究会卒業生の元に届いた脅迫状。
『誰が木村を殺したのか、八年前の真実を知りたければ、
2024年1月9日14時、雛月温泉の宿・極楽へ来い』
集められたのは、庭田、咲本、羽鳥、井波の4人。
木村が死んだあの日の夜、劇研4年生だった皆には、それぞれ秘密にしていることがあった。
おすすめポイント
怒涛の会話劇!
息つく間もなく読み終えてしまいます。
お互いに犯人扱い、自分の疑いを晴らすために行う独白は、
人間の醜さを惜しげもなく出し尽くし、いっそ清々しい!
どんどん加速していく会話の応酬に圧倒されます。
一冊の中で、こんなに感情をかき乱される小説はめったにないと思います。
「死んだ」シリーズとくくられますが、前作とは全く無関係のお話なので、
こちら単独で十分楽しめます。
著者初の短編集
流星と吐き気 (2025)
あらすじ
金子さん初の短編集。
登場人物は皆、身勝手でクズ。でも、そこに人間の本質がある。
偶然の再会を「運命」と勘違いして、安全圏から告白をしようとするアーティスト。
(「流星と吐き気」)
アニメにもなった作品の主人公のモデルは自分? サイン会で作者が元カレか確かめる高校教師(「リビングデッドの呼び声」)
担当編集者に振られたにもかかわらず、才能は認められていて作品だけで繫がっている人気漫画家。(「種」)
昔付き合っていた彼女から独り言のようなLINEが送られてきて、死を仄めかされた編集者。(「消えない」)
かつて旅行先で意気投合した男性が偶然お客さんとなり舞い上がるレンタル彼女。
(「プラネリウム」)
仄暗い気持ちが過去を呼び戻してしまう5人の物語。
おすすめポイント
金子さんの本領発揮!
流れるような会話劇が癖になります。
そして、人間の愚かさがこれでもかってくらいに曝け出されています。
「あー恥ずかしい」と登場人物に思うたびに、
その恥ずかしさが自分にも当てはまることに気づき、ギクッとする。
愚かだけれど愛おしい、これぞ人間という短編集です。
アイドル×クイズ×推理、だけど探偵不在!
クイーンと殺人とアリス (2025)
あらすじ
謎解きアイドル”Queen & Alice”のオーディション。
孤島で開催される最終審査に集まったのは、
クイズ大会で敗れたリベンジを誓う高校生コンビの想空と七色、
9年間オーディションを受け続ける真昼、
元バンドマンの聖来ら、個性豊かな8人の候補者たち。
しかし夢をかけた合宿は、常軌を逸した悪夢へと変わる…。
おすすめポイント
金子さんの書く小説には、いつも意外な舞台設定で驚かされますが、
今回は孤島での殺人事件という王道の設定。
…かと思いきや、期待を裏切らない!
探偵役を務めるのは、クイズが得意で頭の回転が速いコンビ2組。
でも彼女たち、探偵経験はなし。
だから、怪しい人や事件の矛盾には気づくけど、
犯人を追い詰めるための探偵スキルが皆無なんです。
謎解き以外の部分がポンコツな素人探偵が、どんな風に事件を解決に導くのか。
普通のミステリとはちょっと違った楽しみ方で読める探偵小説です!
全作品一覧チェックリスト
全作品制覇を目指している方は、こちらもどうぞ。(ダウンロードしてご利用ください)
まとめ
スピード感のある会話劇と、人間の愚かさ卑しさをポップに描く。
金子さんの小説からしか得られない面白さ、エネルギーが確かにあります。
ぜひ怒涛の勢いに巻き込まれる興奮を楽しんでください!