日々の些細な出来事を、鮮やかに切り取り、文章にするくどうれいんさん。
言語化センスが抜群に素晴らしくて、私はすっかりとりこになりました。
くどうさんの本はこれまでで3冊読んだのですが、
そのどれもが心の琴線にびーんと響いたので、全部おすすめしたい!
ということで、今回は、私が読んだくどうさんの3作品を紹介します。
一番最後に、全作品の一覧チェックリストもありますので、
ぜひご活用ください!
くどうれいんさんについて
高校生のころから文芸に親しみ、
2012年度全国高等学校文芸コンクール小説部門・詩部門・短歌部門で優秀賞を受賞。
大学卒業後は会社員として働きながら執筆活動を続けた。
歌人としての名義は本名である「工藤玲音」だったが、
2024年2月をもって「くどうれいん」名義に統一した。
おすすめ作品3選
(作品のかっこは、最初の単行本の出版年です)
人生の転機を描いたエッセイ
コーヒーにミルクを入れるような愛(2024)
内容紹介
ふたり暮らし。書くこと。前を見て進むこと。
日々の手ざわりがあざやかな言葉に変わる。
雑誌『群像』で連載していたエッセイ「日日是目分量」を書籍化。
おすすめポイント
私が初めて読んだくどうれいんさんのエッセイ。
これを読んで、くどうさんの文章に心を鷲掴みされました。
瑞々しくて、無邪気で、ちょっとひねくれていて、でも素直で。
特に好きなのが「深く蔵す」。
作家としての自分の名前を、漢字表記からひらがな表記に変える時の逡巡。
くどうさんの周りの方たちからの言葉がどれも優しく聡明で、
くどうさんへの愛がこもっていて、泣きそうになるくらい温かい。
それを表現できるくどうさんの文章力のすごさ。圧倒的にやられました!
日記好きは必読!
日記の練習 (2024)
内容紹介
一年間の日々の短文(日記の練習)と、
それをもとにしたエッセイ(日記の本番)を収録。
おすすめポイント
短歌を書く人特有の情景の切り出し方。
日常の、その場面を書き留めたいと思うんだ!という発見がありました。
「日記の練習」で記録した素材を元に作った「日記の本番」(エッセイ)。
くどうさんのエッセイの作り方をちらっと覗き見できる贅沢本です。
初の短編小説集
スノードームの捨てかた(2025)
内容紹介
表題作「スノードームの捨てかた」を含んだ短編集。
ままならない人生に巻き起こる、心ざわつく悲喜こもごもを描く
6つの短編小説。
おすすめポイント
何も起きていないように見えて、少しずつ変わっている。
大事件やどんでん返しは起こらないけど、主人公の心持ちは、
最初と最後で少し変化している。
それを描くのが、くどうさんはとても上手い。
どの短編も、きっとすぐに忘れてしまう。
でも、心のどこかでずっと残っていそう。
誰かの日々の些細な出来事を、こんなにもくっきりと切り取って、
言葉に変えるくどうさんはやっぱりすごい!
『日記の練習』の本領発揮!
全作品一覧チェックリスト
全作品制覇を目指している方は、こちらもどうぞ。(ダウンロードしてご利用ください)
まとめ
思わずニヤっとしたり、ぐっと心を掴まれたり、
そんな言葉に溢れているくどうさんの作品たち。
くどうさんの文章を読むと、何気ない日常がきらきらと輝いているようで、
その輝きが自分の日常にも見えるような気がしてきます。
「何気ないことが一番の幸せ」
この言葉が立体的に浮き上がってくるくどうさんの作品たち。
ぜひ、最高の言語化センスに触れてみてください♪