(2025/11/28 チェックリスト更新:「コンビニ兄弟5―テンダネス門司港こがね村店―」追加)
時にユーモアたっぷりに、時に残酷なまでの辛辣さで、
人々の人生を描き出す町田そのこさん。
今回は特に私がおすすめしたい4作品を紹介します!
一番最後に、全作品の一覧チェックリストもありますので、
ぜひご活用ください!
町田そのこさんについて
1980年生まれ。
高校生のときに小説を書き始めるが、手に職をつけるために理容師として働く。
その後、いくつかの職を経て結婚。
専業主婦として子育てをしながら、28歳で再び小説家を志す。
2016年にカメルーンの青い魚』で「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。
2017年に、同作を含む『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』で小説家デビュー。
生き辛さにもがく中で出会う、周りの人たちとの関わりあいを描く作品が多い。
おすすめ小説4選
(作品のかっこは、最初の単行本の出版年です)
名物店長に目が離せない!
コンビニ兄弟(2020)
あらすじ
九州だけに展開するコンビニチェーン「テンダネス」。
その名物店「門司港こがね村店」で働くパート店員の日々の楽しみは
魔性のフェロモン店長・志波三彦を観察すること。
そして今日もまた、彼の元には超個性的な常連客(兄含む)たちと、
悩みを抱えた人がやってくる。
コンビニを舞台に繰り広げられる心温まるお仕事小説。
シリーズ化しており、2025年8月時点で、全4巻刊行中。
おすすめポイント
町田さんの作品の中でも、ユーモア要素が多めで、
ライトノベルのような感覚で読めます。
名物店長と、そのフェロモンに振り回される店員や
お客さんたちのドタバタ劇が楽しい作品です♪
続編はこちら
2021年の本屋大賞受賞作
52ヘルツのクジラたち (2020)
あらすじ
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、
母に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年。
孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる。
町田そのこの初長編作品。
おすすめポイント
虐待される子どもたちの話が辛いけど、彼らを助けてくれる人たちの存在が、
読者の心も救ってくれます。
ただ辛いばかりの現実に、一筋の光を見せてくれる小説。
自分の周りの人たちの声に、耳を澄ませてみようと省みるきっかけをくれます。
誰かを助ける勇気をくれる物語
宙ごはん (2022)
あらすじ
宙には2人の母がいる。産みの親と育ての親。
厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれる育ての親・風海と、
イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的な産みの親・花野だ。
宙が小学校に上がるとき、夫の海外赴任に同行する風海のもとを離れ、
花野と暮らし始める。
しかしごはんも作らず、子どもの世話もしない花野。
困惑する宙に救いの手を差し伸べたのは、
花野の幼馴染の佐伯泰弘だった。
おすすめポイント
あらすじだけ読むと、宙と親の物語のようですが、
実際は、色々な人たちの助け合いの物語。
宙が他人から助けられるばかりではなく、自分も誰かの助けになれる
という希望のあるお話です。
人に手を差し伸べるのは、怖い。
拒否されないかとか、余計なお世話かもとか、やらない理由を考えてしまう。
でもその不安を乗り越える勇気をくれるお話です。
大切な人の死と向き合う物語
夜明けのはざま (2023)
あらすじ
地方都市の寂れた町にある、家族葬専門の葬儀社「芥子実庵」。
仕事のやりがいと結婚の間で揺れ動く中、
親友の自死の知らせを受けた葬祭ディレクター、
元夫の恋人の葬儀を手伝うことになった花屋、
世界で一番会いたくなかった男に再会した葬儀社の新人社員、
夫との関係に悩む中、元恋人の訃報を受け取った主婦。
死を見つめることで、自分らしく生きることの葛藤と決意を力強く描き出す連作短編集。
おすすめポイント
葬儀社が舞台なので、人の死と向き合わざるを得ない作品。
胸糞悪い話もあるけれど、各章の終わりには何らかの希望が示されるので、
しんどくなりすぎない、ちょうどいいダーク感が味わえます。
「死を乗り越える」なんて、言葉にすると強くてかっこよく見えるけど、
現実はそんなに美しいものではない。
涙でぐちゃぐちゃになって、自暴自棄にもなって、地面にうつ伏せて
何もする気が起きない喪失感に押しつぶされる。
でも、「それでいいんだよ」というメッセージが込められている作品です。
全作品一覧チェックリスト
全作品制覇を目指している方は、こちらもどうぞ。(ダウンロードしてご利用ください)
まとめ
身近な人の死や不幸な親子関係など、
直視するのを避けてしまいがちなテーマを扱い、
その中にある小さな希望を掬い取ってくれる町田そのこさん。
物語の世界に入っていくのにパワーが要りますが、
読み終えた後にはまた新たなパワーをもらえる作品ばかりです。
ぜひ、気持ちに余裕のあるときに読んでみてください!