人生100年時代と言われる現代。
先の長い人生のことを考えると、不安になりますか?それともわくわくしますか?
今回は、年をとるのが怖くなくなる、むしろ楽しみになる小説をご紹介します!
- 年をとることに不安を感じる方
- 楽しい小説を読みたい方
- 破天荒な話を読みたい方
ざんねんなスパイ(一條次郎)
あらすじ
主人公が73歳の新人スパイ、コードネームは「ルーキー」。
この年までずっと任務の指令を待ちながら生きてきて、やっと初任務!任務の内容は、市長を暗殺すること。だが、なぜか市長と友だちになってしまった…。
この任務は完遂できるのか?そして主人公の行く末は?
おすすめポイント
とにかくハチャメチャ、支離滅裂!
「市長を暗殺しにこの街へやってきたのに、そのかれと友だちになってしまった…」
この最初の一文で、「え、どういうこと?」と引き込まれてから、
最後までずっと「え、どういうこと?」という展開が続く。
突然始まるダンスバトル。スパイなのに何故か本名が知れ渡っているし、周りの人も奇天烈な人たちばかり。
主人公も、読者も、頭に?マークを浮かべながら、怒涛の意味不明な展開に飲み込まれていく快感。
これぞ小説の醍醐味!
文庫本の巻末には、伊坂幸太郎さんとの対談も。そちらも面白くて必見です!
◆「陽気なギャング」シリーズ(伊坂幸太郎)
スパイという裏家業のドタバタ劇を楽しめた方は、
同じく裏家業の主人公が出てくるこの本をおすすめします。
主人公は銀行強盗4人組。それぞれの特殊能力を活かして、「人を傷つけない」をポリシーに、鮮やかに銀行強盗を行います。
が、思わぬトラブルに巻き込まれてしまい…。
全3作のシリーズものなので、長く楽しめます!
照子と瑠衣 (井上荒野)
あらすじ
70歳の照子と瑠衣。
照子はモラハラ夫を捨てるため、瑠衣は 老人マンションの窮屈な生活から離れるために、 ふたりだけで逃避行の旅へ。
もう会えないと思っていた過去の想い人を探したり、初めての雪国での生活を困惑しながらも楽しんだり。
年齢なんて関係ない!と思わせてくれる、シスターフッド小説。
おすすめポイント
なんといっても本書の魅力は、パワフルでかわいいおばあちゃんたち!
70歳を過ぎても若々しくて、楽しむことを諦めない姿に元気をもらえます!
何を始めるにも遅いことはない。そう思わせてくれるお話です。
◆静子の日常(井上荒野)
『照子と瑠衣』には、もう一人、魅力的なおばあちゃんが登場します。
その名も静子さん。
おっとりとした雰囲気だけど、イタズラ好きな一面もあり、
静子さんが照子と瑠衣に関わっていくシーンは印象に残ります。
そんな静子さんが主人公の本作。フフッと笑えておすすめです。
おかげで、死ぬのが楽しみになった (遠未真幸)
あらすじ
かつて高校時代の同級生で、応援団員だった3人(70歳)が、
同じく元応援団員だった友人の通夜で集まった。
そこに、「応援団を再結成してくれ」と遺書が届くが、
誰を応援してほしいのかが分からない……!?
おすすめポイント
とりあえず応援団復活!とにかく誰かを応援しよう!と意気込んだは良いものの、70歳という年齢には抗えず。
若い頃のような声量は出せず、体力もなく、すぐにへばってしまう。周りに笑われ、白けられる。それでも彼らは、必死に応援する。
周りの揶揄は呵々と笑い飛ばし、老いることを肯定する。
努力が無駄になり、壁にぶち当たり、ピンチに陥った時にこそ、老齢ギャグが輝く。
こんなおじいちゃんたちがいたら楽しいだろうな。
こんな風にニヤニヤと過ごせる老後でありたいなと、老いることが楽しみにもなってくる。
老化に対する不安や恐怖を、笑いと共に吹き飛ばしてくれるお話です。
◆三匹のおっさん(有川浩)
仲良し3人組と言えば、こちらの本。
かつての悪ガキ3人60歳が、町内の自警団を結成し、ご近所の困りごとを解決していくお話。
「若者には負けん!」というパワフルさに元気をもらえます!
『三匹のおっさん ふたたび』では、おっさんたちの息子世代も活躍し、
1作目とは違った面白さを味わえます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
あらすじを読むだけでも、各作品の破天荒っぷりが垣間見えたのではないでしょうか。
年をとること、老いていくこと。身体のこと、お金のこと、家族のこと。
考え出すとキリがないですが、大変なことばっかりじゃないのかも。
年齢を重ねていくうちに、楽しいことや楽になることもあるのかも。
そんな明るい気持ちになれる本たちをご紹介しました。
ぜひ、破天荒っぷりやお茶目なやりとり、そして老齢ギャグで、不安を笑い飛ばしてください!