伊坂幸太郎さんの小説を読みたいけれど、どれから読めばいいかわからない…
そのお悩み、解決します!
今回は、伊坂作品をすべて読んだことのある私が、
特におすすめしたい4作品を紹介します。
おすすめ小説4選
(作品のかっこは、最初の単行本の出版年です)
「殺し屋」シリーズの原点!
グラスホッパー(2004)
あらすじ
元教師の鈴木は、妻を殺した男への復讐を計画していた。
しかし、その男が車に轢かれる瞬間を目撃する。
どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。
鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。
一方、自殺専門の殺し屋「鯨」、ナイフ使いの天才「蝉」も「押し屋」を追う。
殺し屋たちの思惑が交差するジェットコースター小説。
おすすめポイント
物語は、鈴木、鯨、蝉の3人が交互に語り手となって、進んでいきます。
それぞれのキャラクターが立っていて、面白い!
あれよあれよと物語が展開して、ジェットコースターに乗っているような爽快感が味わえます。
「殺し屋」シリーズとされる「マリアビートル」「AX(アックス)」「777(トリプルセブン)」の原点となる、象徴的な作品。
こちらが気に入った方は、ぜひシリーズを追ってみてください♪
シリーズ作品が気になった方は、こちらの記事もどうぞ
憎めない死神が主人公
死神の精度 (2005)
あらすじ
音楽をこよなく愛し、仕事をする時はいつも雨。
そんな主人公・千葉は死神。「調査部員」として、調査対象の人間を1週間観察し、
死ぬに値する人物かどうかを見定める仕事をしている。
千葉の調査対象となる6人の人間の人生を描く短編集。
おすすめポイント
死神・千葉のキャラクターが良い!
飄々としていて、でも人間界の知識に疎いので、たまに天然な発言をしてしまう。
そのギャップに惹かれます。
そして、そんな千葉に対して、戸惑いを隠せない人たちのうろたえる様子にも、ニヤッとしてしまいます。
『重役ピエロ』を読んだことのある人には嬉しいサプライズもあります!
語り手はまさかの「アレ」!?
ガソリン生活 (2013)
あらすじ
大学生の望月良夫は愛車のデミオ運転中に、
偶然会った女優の翠を目的地へ送り届けることに。
だが翌日、翠は事故死する。本当に事故だったのか?
小学5年生の弟・亨(とおる)とともに、事件の謎を追いかける。
語り手は、望月家の車・緑のデミオ。
車目線で展開される、異色のミステリ!
おすすめポイント
モノが語り手になる作品は、伊坂さんの小説では本作が初めて。
デミオと望月家の人間が会話することはないし、
運転されない限り、デミオは動けない。
車同士の会話で情報を集めるしかない。
そんな限定された状態で展開されるミステリ。
設定もわくわくするし、何よりデミオがかわいいです。
子どもにも読んでほしい一冊
逆ソクラテス (2020)
あらすじ
敵は、先入観。
世界をひっくり返せ!
学校生活の中で先入観という壁にぶつかり、
それを打破しようとする小学生たちが主人公の、5つの短編集。
おすすめポイント
自分が子どもの頃に、この本に出会いたかった!
そして、今の子どもたちに読んでほしい!
嘘をつくのはいけません。
いじめはやめましょう。
悪いことをしたら、正直に謝りましょう。
子どもの頃から、耳にタコができるくらい何度も言われる言葉だけれど、
それが「人に迷惑をかけないため」ではなく、
「自分を守るため」の手段であることが語られるシーンが印象的でした。
小学生の主人公たちに、優しく、時に強引に、子どもたちを守る言葉をかける
大人たちもかっこいい!
グロいシーンや暴力シーンがないので、子どもにも安心しておすすめできる一冊です。
まとめ
伊坂さんの小説は、登場人物たちがとにかく魅力的!
愛嬌があったり、変だけど憎めなかったり。
また、他作品とのリンクが楽しめるのも特徴です。
「あ、あの人!」と気付く至福の瞬間を楽しみに、
作品コンプリートしていると言っても過言ではない。。
みなさんも、ぜひ伊坂ワールドに一歩足を踏み入れてみてください♪
シリーズ作品の紹介は、こちらの記事をどうぞ